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このモヤっとしたシミは何!? 肝斑(かんぱん)の原因と治療法
このモヤっとしたシミは何!? 肝斑(かんぱん)の原因と治療法
2022/02/14

肝斑(かんぱん)というシミをご存知でしょうか。「シミ取り=レーザー治療」という認識をお持ちの方が多いと思いますが、知識なく肝斑にレーザーを照射してしまうと悪化してしまいます。このコラムでは肝斑の概要と予防法、それでも良くならない時の治療法について解説していきます。肝斑やシミでお悩みの方はぜひこのコラムをお読みいただければと思います。

肝斑とはそもそもどんなシミ !?

実は肝斑の定義としてまだ明確なものがありません。肝斑のできやすい方は、30〜50代の中年女性に見られる茶色でまだら(あまり均一でない)な色素沈着です。下の写真のようにシミとシミのない皮膚との境界線が不明瞭で、シミの中でも色味が濃い部分があったり薄い部分があったりします。

よく見られる典型例としては、頬にほぼ左右対称にできます。20歳代未満や高齢者にはあまり見られないことが特徴です。肝斑ができている皮膚を顕微鏡で観察してみると、表皮にメラニンが増加しており、真皮層で光線性弾力線維変性(光老化が原因で起こる症状、光老化について書いたコラムはこちらから)が確認できます。頬が一番できやすい箇所ですが、額や口唇上にも現れます。また肝斑の特徴として、髪の生え際は眉毛などの有毛部にはできません。また肝斑は年月と共に濃くなったり薄くなったりする経時的変化があります。また普段のお化粧を止めると薄くなることが多いです。

また肝斑は診断基準が確立しておらず、前述した特徴を元に各医師の経験に基づき診断しています。肝斑は単独でできることもありますが、多くは老人性色素斑や雀卵斑、ADMなどと合併することも多く診断を難しくしています。そのため、美容クリニックで診療していると、「前のクリニックでは肝斑はないと言われたのに」などとおっしゃる患者様は日常茶飯事です。それほど診察する医者ごとに診断が変わってしまうシミが肝斑なのです。

肝斑の原因は?

実は肝斑の根本的な原因は分かっていません。しかし、肝斑が発症している方たちに共通していることがあります。それは「慢性的な刺激により皮膚のバリア機能が破壊されている」ということです。ここでいう慢性的な刺激というのは「こすり過ぎ」です。多くの人は自分がこすり過ぎだなんて思っていないでしょう。しかし肝斑の後発年齢である「30代〜50代の女性」のほとんどが毎日している行為があります。そう、「化粧」です。もちろん化粧だけが肝斑の原因ではありませんが、かなり大きなウエイトを占めているのはどうやら確実のようです。そう考えると化粧をする習慣のない10代女性や男性に肝斑ができにくいという事実にも納得がいきます。

肝斑の治療法

肝斑の治療は大きく4つに分かれます。「生活習慣の改善」「内服治療」「外用治療」「レーザートーニング」です。

生活習慣の改善

肝斑の最大の悪化原因は「慢性的な肌への刺激」です。これをなるべく排除するのが重要です。紫外線対策とスキンケア時の摩擦を極力減らすよう心がけましょう。具体的には何といっても「日焼け止めをきちんと塗ること」です。日焼けどめは外出前に塗って終わりではなく、紫外線の強い状況下では可能であれば数時間ごとに塗り直すのが理想です。その他には、紫外線の強い時間帯の外出をなるべく避けたり、帽子や日傘を使用して肌の露出を避けたり、サングラスをかける等の対策が考えられます。また紫外線対策だけでなく、スキンケア(その中でも保湿)をしっかり行うことが、皮膚のバリアを促進し、光老化の予防のみならず健康な肌を保つことに繋がります。コロコロと転がるローラーが付いた美顔器をお持ちの方も多いと思いますが、摩擦は肝斑の原因になるのでやり過ぎは禁物です。美容外科医の立場から言えば、肌に負担をかけるようなホームケアは全てNGです。

内服治療

内服治療は肝斑治療の中でも基本的なものであり重要なものです。内服治療を行わずにレーザートーニングだけをクリニックでやっている方もいらっしゃいますが、特別な理由がない限りは内服治療はやった方が良いです。特にトラネキサム酸の内服は肝斑治療の第一選択です。

トラネキサム酸(トランサミン)

肝斑治療の中心となる内服薬です。トラネキサム酸は止血作用、抗アレルギー作用、抗炎症作用を持った薬で、保険適用外ではありますが肝斑の治療において世界中で幅広く使用されています。肝斑では、プラスミンというタンパク質分解酵素が活性化した結果、メラニン産生が亢進し、真皮に炎症反応が起こっています。トラネキサム酸はプラスミンの活性化を抑える働きがあり、メラニン産生を抑制します。またプロスタグランディンという炎症物質の産生を阻害することで抗炎症作用も持っています。トラネキサム酸は止血効果もあるため、ピルとの併用を中止しているクリニックもありますが、血栓リスクのない方でしたら低容量ピルとの併用は基本的には問題ありません。というよりも、肝斑の治療目的で来院した方に、低容量ピルを飲んでいるからという理由だけでトラネキサム酸を処方しない医師は明らかな知識不足です。そのくらいトラネキサム酸の内服は肝斑治療の要ですし、また副作用もほとんどないのです。当院の処方では250mgを1日3回(750mg/日)としています。他院では1,500mg/日の高用量で処方しているところもございますが、日本で行われた臨床試験では750mg/日で十分な有効性が示されています。当院でのトラネキサム酸による肝斑の治療には、内服以外にもエレクトロポレーションという技術を用いた肌に直接導入する方法もあります。

トランシーノを飲んでおけば大丈夫でしょ!?

当院に受診される方にトラネキサム酸の内服を勧めると、「薬局で買ったトランシーノ飲んでるので大丈夫です」とおっしゃられる方がたまにいます。実はトランシーノの飲み薬には第1類医薬品と第3類医薬品があり、トラネキサム酸が含まれているのは第1類医薬品の方だけなので注意が必要です。またドラッグストアでトラネキサム酸が含まれているトランシーノを買うよりも当院で処方した方が安い場合が多い、ということも付け加えておきます(笑)

ビタミンC

ビタミンCは水溶性ビタミンの1つであり、過剰摂取しても尿中に排泄されるため副作用が出ることはほとんどありません。肝斑に対しては保険適用外となります。ビタミンCはメラノサイトがメラニンを作る過程を阻害する作用や既に蓄積されたメラニンに直接作用して還元する作用などがあります。当院では内服だけでなく、静脈注射やエレクトロポレーションで肌に直接導入する方法もあります。

ビタミンE

ビタミンEは脂溶性ビタミンの1つであり強い抗酸化作用を持ちます。ビタミンEは紫外線や外的刺激から肌を守り、適度な潤いを保つために必要なバリア機能を安定させます。また血行促進作用があり、皮膚の新陳代謝を高め、メラニンの排出を促します。ビタミンEは単独で摂取するよりもビタミンCと併せて内服した方が肝斑には効果的であるという報告がありますので、一緒に飲みましょう。

外用治療

ハイドロキノン

チロシナーゼという酵素を阻害してメラニン合成を抑える働きがあり、有効性の高い外用美白剤です。また皮膚刺激症状や細胞毒性があり、副作用として皮膚刺激症状による色素沈着や脱色素斑の発生もあります。使用する際は必ず医師の診察を受けましょう。

アゼライン酸

ハイドロキノンと同様の美白効果が知られいるが、皮膚刺激症状などの副作用のリスクはハイドロキノンより高いとされています。

レチノイド

トレチノインを含むビタミンA誘導体でメラニン排出作用で美白効果を示すが皮膚刺激作用が強いです。当院ではホームケアとしてレチノールを含むゼオスキンの商品を販売しております。

遮光剤(日焼け止め)

肝斑の治療として遮光は最も重要と言っている医師もいます。紫外線はもちろんですが、可視光でも色素沈着が誘導されるという報告もあり可視光も遮光できる酸化亜鉛や二酸化チタン含有の遮光剤が推奨されています。

ケミカルピーリング

外用剤を皮膚に塗布し、化学変性による皮膚剥離と創傷治癒機転による表皮・真皮の再構築を促して皮膚の若返り効果をもたらす方法です。表皮のターンオーバーの亢進、メラニン生成抑制、真皮線維芽細胞の活性化などの作用があります。

レーザートーニング

レーザーについては高フルエンスでの出力は肝斑には禁忌とされています。肝斑を普通のシミ(老人性色素斑)と間違えて照射してしまうとほぼ確実に悪化してしまいます。そのため低フルエンスで照射を行うレーザトーニングという手法が美容クリニックでは行われています。当院では最新のピコレーザーを導入しております。ピコとは「1兆分の1」の単位を表す言葉で、ピコレーザーとは1兆分の1秒という極めて短い周期でレーザー照射を行う機器になります。従来の医療用レーザー機器に比べて、熱による影響がほとんどないため肌への負担やダウンタイムを最小限に抑えられます。

当院ピコレーザーの治療紹介メニューはこちら

当院の肝斑治療の実際の流れ

当院に肝斑の治療のご相談に来られた場合の実際の治療の流れについて書いておきます。

カウンセリング〜診察〜診断

まずはカウンセリングと診察です。上述したように肝斑の診断はとても難しく、受診するクリニックによって診断が変わってしまうことも珍しくありません。患者様のご年齢やいつ頃からシミ(肝斑)が気になっているのか、普段どういうスキンケアをしているのかや紫外線に当たりやすい生活習慣がないかなどのカウンセリングをします。その後、カウンセリンで得た情報と診察(主に視診)での所見を照らし合わせながら、老人性色素斑やADM、扁平母斑、外傷性の炎症性色素沈着などとの鑑別診断をしていきます。

肝斑と診断がついたら美白セットとピコトーニング!

美容クリニックに来られる方の半分くらいは他のクリニックで何らかの治療をされている方々です。何も内服をしていないという方には、内服薬(トラネキサム酸、ビタミンC、ビタミンE)と外用のハイドロキノン(皮膚刺激症状を抑えたもの)がセットになった「美白セット」をまずお勧めします。これらはどれも肝斑治療に対して有効性が報告されいます。その上で最新のピコレーザーを用いたピコトーニングがオススメです。しかし実際はピコトーニングを数回やった程度は肝斑の改善は難しいことが多いです。人にもよりますが、2週間〜1ヶ月おきに繰り返し続けていく必要があります。そのため当院では10回セットになったお得なコースをご用意しています。ピコトーニングでは肝斑に有効なだけでなく、肌全体のトーンアップや真皮層のコラーゲン増生効果もあり肌の若返りも期待できます。

クリニック外での生活習慣も大事!

肝斑ができる正確なメカニズムこそ解明されていないものの、「慢性的な皮膚への刺激」が要因になっていることは間違いありません。日焼けを防ぐ、肌をこすらないという2点だけは徹底していきましょう。

 

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました!

私は日本美容外科学会認定の美容外科専門医を取得しており、肝斑治療の経験も豊富ですので、ご興味を持って頂いた方はぜひ当院へご来院いただければと思います。

当院では電話予約(048-767-5900)の他にも、このホームページの右上にある「WEB予約ボタン」や公式LINEからのご予約に対応しております。

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