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そのクマ治療、本当に脱脂で大丈夫ですか? 〜脱脂・脂肪注入で解決しないケースと、見落とされがちな落とし穴〜
そのクマ治療、本当に脱脂で大丈夫ですか? 〜脱脂・脂肪注入で解決しないケースと、見落とされがちな落とし穴〜
公開日:

クマが気になるからといって「脱脂してはいけないケース」とは?

目の下のクマに悩み、美容クリニックを受診される方の多くが、
「クマ=脂肪が原因だから脱脂すれば治る」
と考えています。

確かに、目の下の脂肪(眼窩脂肪)が前方に突出している場合、脱脂が有効なケースは存在します。しかし一方で、脱脂を行うことで症状が悪化したり、取り返しのつかない仕上がりになってしまうケースがあるのも事実です。

本コラムでは、美容外科医の立場から
「クマが気になっていても、脱脂をすべきではない代表的なケース」
について詳しく解説します。

クマの症例写真を見る


そもそも「目の下のクマ」の正体は一つではない

一口にクマと言っても、その原因は複数存在します。代表的なものは以下の通りです。

  • 眼窩脂肪の突出による影クマ

  • 皮膚の菲薄化や色素沈着による青クマ・茶クマ

  • 中顔面の骨格的な凹み(ティアトラフ)

  • 皮膚や靭帯のたるみによる段差

  • 加齢や体重変動によるボリュームロス

これらが単独で存在することは少なく、多くは複合的に絡み合っています。
問題は、「脂肪が出ているように見える=脱脂すればよい」と短絡的に判断してしまうことです。

クマは眼窩脂肪の膨らみを除去するだけでは十分に改善しません。膨らみの下にある「凹み」が残ってしまうからです。この凹みの正体は骨と皮膚を強固に繋ぎ止めている靭帯です。クマに関係する靭帯は主に下図の3つになります。

①TTL:ティアトラフ靭帯。内眼角付近から眼窩下縁に沿って走行し、瞳孔中央付近まで存在する強固な靭帯。TTLには眼輪筋が付着している。

②ORL:眼窩頬部靭帯。眼輪筋を眼窩骨に付着させている。TTLとORLが下眼瞼と頬の境界を形成している。

③ZCL:頬部皮膚靭帯。いわゆる「ゴルゴライン」の原因となる靭帯。


脱脂してはいけない代表的なケース①

すでに目の下のボリュームが少ない・痩せ型の方

目の下は、加齢とともに自然に痩せていく部位です。もともと皮下脂肪が少ない方や、痩せ型の方に脱脂を行うと、

  • 目の下が過度に凹む

  • 老けた印象になる

  • クマが消えるどころか、影が強調される

といった結果になりがちです。

特に注意が必要なのは、20代後半〜30代前半で「まだ若いのにクマが気になる」という方です。この年代で脱脂を行うと、数年後に急激な老化を感じるケースが少なくありません。

上の写真の方は、若く痩せている女性の方で、脂肪の突出もほとんどありません。この方に脱脂をしてしまうと間違いなく目周りがゲッソリと落ち窪んだ顔になってしまいます。


脱脂してはいけない代表的なケース②

クマの主因が「凹み」や「骨格」にある場合

目の下のクマは、脂肪が多いからではなく、

  • 涙袋下の溝(ティアトラフ)

  • 中顔面の骨格的な後退

  • 頬との境目の段差

によって影ができているケースも非常に多いです。

このタイプの方に脱脂を行うと、

  • 凹みがさらに強調される

  • 「疲れて見える」「不健康に見える」

  • 修正が難しい状態になる

というリスクがあります。

本来このようなケースでは、「脂肪を取る」のではなく、
脂肪を温存・移動する、あるいはボリュームを補うという発想が必要です。

この女性の方はクマの原因は脂肪の突出ではなく、靭帯によって下眼瞼と頬が分断されているところにあります。裏ハムラによって、下眼瞼と頬をなだらかに繫げることでこんなに「クマ感」が解消します。

脱脂してはいけない代表的なケース③

皮膚が薄く、ハリが弱い場合

皮膚のハリは、脱脂適応を判断する上で極めて重要です。

皮膚が薄く、ハリが弱い状態で脱脂をすると、

  • 皮膚が余ってシワが増える

  • 表情を作ったときに不自然な動きになる

  • 笑うと凹みが目立つ

といった問題が起こりやすくなります。

特に、「笑ったときにクマが強調される」という方は要注意です。
この場合、脂肪を取ることで改善する可能性は低く、むしろ悪化することが多いです。

この男性のような方に脱脂をしてしまうと、目の下の皮膚がしわくちゃになってしまうでしょう。裏ハムラでは、脂肪を取らずに移動させるだけなので、目の下のボリュームが減ることはないので、シワが悪化する可能性もほとんどありません。


脱脂してはいけない代表的なケース④

将来的な加齢変化を考慮していない場合

脱脂は「元に戻せない手術」です。

今この瞬間だけを見ると、脂肪を取ることでスッキリしたように見えても、
5年後、10年後にどうなるかまで考えなければなりません。

  • 年齢とともにさらに痩せる

  • 皮膚の支持力が低下する

  • 中顔面の下垂が進行する

これらを前提にすると、若いうちの安易な脱脂は将来の老け顔を先取りする行為とも言えます。

この方の術前をみると、上まぶたも痩せていて凹んでいます。裏ハムラをすると触っていないはずの上まぶたの凹みも多少改善することがあります。これは、眼窩脂肪の一部は眼球の奥で繋がっていて、裏ハムラをすることで上眼瞼の眼窩脂肪がずれ落ちてこないように堰き止める効果があるからだと思われます。


では、脱脂が向いているのはどんなケースか?

誤解のないようにお伝えすると、脱脂自体を否定しているわけではありません。

  • 脂肪の突出が明らか

  • 皮膚に十分なハリがある

  • 凹みがほとんどない

  • 将来の加齢変化も加味した上でのデザイン

これらの条件が揃った場合、脱脂は非常に有効な選択肢となります。

上の男性は脱脂のみの症例ですが、脱脂できれいになる条件を満たしていたため、とても良い術後経過となりました。

重要なのは、
「脱脂ありき」で考えないこと
そして
一人ひとりの解剖学的特徴を正確に見極めることです。


こんなクリニックには要注意!

現在、目の下のクマ治療は「脂肪を取る」時代から、目元全体の構造を理解したうえで再配置・支持構造まで考慮する治療へと進化しています。その中で、適応を正しく見極めて行う裏ハムラ法は、現在のクマ治療における王道の一つといえます。

しかし現実には、裏ハムラを技術的に行えない、あるいは経験が十分でないために、どのようなクマに対しても脱脂を勧めるクリニックが存在します。

さらに近年では、「脱脂だけでは凹むから」という理由で、脱脂+脂肪注入をセットで提案されるケースも増えています。一見すると理にかなっているように聞こえますが、この方法もすべてのクマを根本的に解決できるわけではありません

特に、目の下のクマの原因が

  • 靭帯による段差

  • 骨格的な支持構造の問題

  • 中顔面との境界に生じる影

にある場合、脂肪を「取る」「足す」だけでは、クマの本質的な原因である段差や影は残ったままになります。脂肪注入をすれば、凹みが治るかもと考えがちですが、靭帯による凹みを脂肪注入で完全に解消するのは不可能なのです。

このようなケースでは、

  • 注入した脂肪が不均一になりやすい

  • 時間とともに吸収・変形が起こる

  • 表情によって凹凸が目立つ

といった問題が生じることも少なくありません。

本来、靭帯によって生じているクマに対しては、
脂肪量の調整だけでなく、構造そのものをなだらかに再配置する発想が必要になります。

にもかかわらず、

  • どの患者にも「まずは脱脂」

  • 凹みそうだから「あとで脂肪を足せば大丈夫」
    といった説明しかされない場合は、注意が必要です。

大切なのは、
「今、どう見えるか」だけでなく、「数年後も自然かどうか」という視点です。

患者様にとって本当に信頼できるクリニックとは、

  • 脱脂が不要な場合は不要とはっきり伝える

  • 脂肪注入の限界やリスクも正直に説明する

  • 裏ハムラを含め、複数の選択肢を比較したうえで提案できる

このように、できる手術ではなく、やるべき治療を基準に判断してくれる医師がいるクリニックだといえるでしょう。

 

当院が「安易な脱脂」を勧めない理由

BRIGHTS beauty clinic では、目の下の治療において、

  • なぜクマができているのか

  • 脂肪を取るべきか、残すべきか

  • 5年後、10年後も自然でいられるか

これらを徹底的に検討します。

その結果、「今回は脱脂をしない方が良い」とお伝えするケースも少なくありません。
それは、患者様にとって本当に良い結果を長期的に得ていただくためです。


まとめ

クマが気になっても、脱脂が正解とは限らない

目の下のクマ治療は、
「取る」か「取らない」かの二択ではありません。

むしろ重要なのは、
そのクマの正体を正確に診断できているかどうかです。

もし、
「脱脂を勧められたけれど不安がある」
「本当に自分は脱脂が必要なのか知りたい」
そう感じている方は、一度立ち止まって専門的な診断を受けることをおすすめします。

BRIGHTS beauty clinic では、将来を見据えた目の下治療をご提案しています。
後悔しない選択のために、ぜひご相談ください。

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tel:048-767-5900
住所:埼玉県さいたま市浦和区仲町1丁目4−12 Crobis浦和 5F
院長:今村直樹【美容外科専門医】
診療時間:10時〜19時
休診日:不定休(土日祝日も診療しております)
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